アイルランドの寿司の母に
今はアイルランド初の本格寿司カウンターのある江戸前鮨を提供する店の運営をしている早川芳美さんですが、元々は和カフェとして、お弁当などを提供していました。
*ミシュラン店を始めたくて、見つけた飲食人大学
もともとは独学で寿司を始めましたが、ちゃんと学びたいと常日頃から思ってました。
ゆくゆくはミシュランを獲得したいという夢があり、日本ではどんな寿司屋がミシュランをとっているのか検索したところ、「3ヶ月しか修業をしていない寿司職人がオープンした店が11ヶ月でミシュランのお店になった」という記事を見つけて、飲食人大学を知りました。
ヨーロッパでは空前の寿司ブーム、日本人経営ではない寿司屋が増え始め、なんちゃって寿司がヨーロッパの人たちの中では「寿司」として認識されつつあることに疑問を感じてました。
そんな中で飲食人大学の存在を知り、時がきた!と思い、入学を決意しました。
*厳しい指導、仲の良い生徒
在学中は先生によく怒られてました(笑)
寿司に関わらず、返事をしろと怒られたりすることもあり、衝撃を受けました。
ですが、生徒同士がとても仲が良く、今でも連絡を取っています。
*ノートを見返しながら、1歩1歩寿司の母へ
卒業後は1年程の準備期間を経て、カフェから寿司屋に業態変更をしました。
幸いにもアイルランドは食材が良く、海産物が豊富な場所です。
またアイルランドでは寿司を食べたことのある人がほとんどおらず、魚を活〆にする習慣もありませんでした。
新鮮で美味しい地元の魚を寿司にして「ああ、この魚、美味しいね」と魅力を知ってもらえた時にはとてもやりがいを感じます。
また、日本人のお客様にもお褒めの言葉をいただけることが多いです。
日本人に「美味しい」と言われたときは、ひときわ嬉しいです。
飲食人大学で教えてもらったこと(寿司の技術だけでなく、経営面のことや内装までも。。)大変役に立っており、今でもノートを見返したりします。
半面苦労することもあり、人材確保と文化の違いには一番苦労しました。
コースの途中で帰られる人もいました。
人材確保では、アジア人の働き手は食も仕事に対する考え方も似ているので働きやすいですが、ビザが必要なので長くは居てもらうことができません。こちらの人はビザは要らないのですが、働き方に対する考え方の違いが大きく、長く続く人がなかなかいないので苦労してます。
2020年はコロナの影響はありましたが、現在はテイクアウトをしながら江戸前鮨のコースを提供してます。
コロナの影響で新規のお客さんが増え、逆に安定しました。
自粛期間中もオンラインでお客さんとコミュニケーションをとることは出来ていたし、マスクを売ったりもしていました。
大変な時期もありましたが、これからもアイルランドの寿司の母になれるよう頑張っていきます。
*入学を検討している方へメッセージ*
寿司はどこへでも行ける技術なので、海外に行きたい人にはもってこいです!
深く考えすぎず、どんどん挑戦していってほしいです!