飲食人大学

blog

元居酒屋店主の今井栄吾さんが叶えた夢。多くの人を魅了する人気寿司店「鮨 なし川」の軌跡とは。

今井栄吾さん(いまい・えいご)

様々な料理ジャンルでの豊富な経験を積んできた料理人、今井栄吾さん。経営する居酒屋での課題から高単価商品を導入する決断を下し、飲食人大学での寿司技術習得を決意します。卒業後は居酒屋を改装し「鮨 なし川」を開店。瞬く間に予約殺到の人気店へと成長した裏側に迫ります。

《経歴》
1996年3月 私立大学 卒業
2002年7月 洋食屋にて勤務
2003年3月 居酒屋「ごはん家 梨川」開業
2021年12月 飲食人大学(大阪校)寿司マイスター専科で修業
2022年3月〜 神戸・須磨「鮨 なし川」開業

経営する居酒屋での課題から、高単価商品の導入を検討。

——飲食人大学に「入学されるまでの経緯やご経歴」を教えてください。

今まで約30年間料理人をしており、洋食屋、和食屋、カフェ、居酒屋など様々なジャンルで経験を積んできました。飲食人大学入学直前は居酒屋で定食を提供しており、その価格帯はだいたい1,000円〜1,500円でした。当時40代だった私は、あと20年は仕事を続けたいと考えていましたが、コロナ前の12~13年前から、このまま人件費と物価の上昇が続くと、採算を取ることが難しくなるだろうと予測していました。そこで、高単価な商品を導入することを検討しました。寿司、うなぎ、焼肉、天ぷらなどの高価格帯の商品を検討しましたが、うなぎは漁獲量の減少から市場が縮小していくことが懸念され、焼肉や天ぷらは健康志向の流れの中で毎週食べられるものではないと感じられました。その中で、寿司は自身も好きであることに加え、健康志向にも合致していることから、高単価商品として導入することに決めました。

客単価1万円超えを実現するために、様々な工夫を凝らした準備期間。

——飲食人大学「卒業後の進路」を教えてください。

卒業後は、25〜26席あった居酒屋を6席までに縮小し、約3ヶ月の準備期間を経て「鮨 なし川」をオープンしました。以前の居酒屋業態では客単価が2,500円程度でしたが、現在は1万円を超えるまでになっています。客単価アップを実現するためには、食器の入れ替えやカウンターの改装、ホームページ改修など様々な準備が必要でした。

さらに、お寿司屋としては魚が重要な要素であるため、魚の仕入れ先を確保するために複数の魚屋との関係を築く必要がありました。そのためには、複数の魚屋を訪ねて挨拶し、取引を始める準備が必要でした。どの魚屋が適しているかを見極めるために、いくつかの魚屋から魚を購入して比較したりもしました。魚の入手先が確保されなければ、お寿司を提供することができないため、こうした準備をじっくりと行いました。

——コースのお客様の単価はどのくらいですか?

お昼が4,400円〜、夜は9,900円〜になります。

ここでならしっかりとした技術を身につけることができると確信し、入学を決意。

——寿司職人を目指すにあたって、「飲食人大学」で学ぼうと思った理由を教えてください。

まず東京などで修行することも考えましたが、やはり神戸の自宅から通える範囲の方が良いということで、大阪エリアで探しました。他の学校もいくつか検討しましたが、例えば1週間程度の短期的な料理教室では、1万円という高単価の寿司を提供できるほどの技術は身につかないと考えました。

「飲食人大学」のホームページを拝見したとき、3ヶ月のカリキュラムで海外就職した話が掲載されていたり、卒業生に有名店や一定水準以上の店への就職斡旋が行われていることがわかりました。当時はまだ想像でしたが、ここでならしっかりとした技術を身につけることができると確信し、入学を決めました。

——実際に「飲食人大学」に入学してみて、いかがでしたか?

寿司というジャンルは初めてだったこともあり、いくら料理経験があったとは言え、毎日が新鮮で目新しい技術ばかりだったので、やはり初めての技術はすぐに身につかず、毎日大変でした。しかし、社会人になり30代後半〜40代を超えてから、学びの機会を得られることは貴重で、それがとても楽しかったです。大変なこともありましたが、楽しいことの方がはるかに多かったので、毎日充実した時間を過ごさせていただきました。

また、授業では2人1組でペアを組んで学ぶことが多く、程よい緊張感もありつつ、放課後は互いに教えあったりして過ごしました。同期生とは今でも時々連絡を取り合っており、「今度お店を開くんだけど手伝ってくれない?」というような連絡が来たりすることがあります。私たちのクラスは比較的仲が良い方だったと感じています。

——具体的に、印象に残っている授業や技術指導はありますか?

特に印象に残っているのは、生のマグロから柵取りし、さらに貫取りを行う授業です。貫取りとは、お寿司を握るサイズにまで切り分けることです。この一連の工程を、複数回にわたって練習する機会がありました。やはり技術習得には反復練習が不可欠なので、複数回経験できるのは非常に良かったと感じています。また、生のマグロブロックを個人で購入して練習することはなかなかできない貴重な経験だったので、とてもありがたかったです。

そして、お寿司の貫取りサイズや、米の水切り時間、水の量など、細かな設定や指導も驚くべきものでした。例えば、お寿司の貫取りサイズはセンチ単位で決められていたり、米の水切り時間は分単位、水の量は1g単位で教えていただきました。ここまで細部まで丁寧に指導してくれることに、大変驚きました。

一口サイズの寿司に技術とアイデアを詰め込む面白さ。

——飲食人大学の学びの中で、今の仕事に活かせていることはありますか。

寿司に関する全ての知識と技術は、飲食人大学で教えていただいたことをベースにしています。私が在籍していたのは10〜12月でしたが、「こんな貴重な食材まで!?」と驚くほど、冬に出回る魚に関してはほぼ全て網羅するくらい触れる機会があり、とても良い経験ができました。

——今の仕事のやりがいや、仕事において大切にされていることを教えてください。

寿司は洋食などと違い、例えばお皿に乗せる具材に足りない部分を感じたとしても、その上にどんどん新たな具材を追加していけるという点が魅力です。寿司は1口サイズなので、1口の中に自分の技術やアイデアを詰め込むことができる面白さがあり、毎日寿司のことばかり考えています。

握り方だけでなく、魚の産地にこだわったり、様々な角度から追求することができるので、寿司はとても面白いジャンルだと思います。

また、毎日考えていることの1つに、少しでもお客様に美味しいお寿司を提供するということがあります。私にとっては複数回提供している寿司の1回かもしれませんが、お客様にとってはたった1回の体験です。この1回の体験で決してがっかりさせないように、毎日いかに美味しく作れるかということを心がけています。

——現在、経営されている「鮨 なし川」の特徴やこだわりを教えてください。

旬の食材を使い、その時の最高の技術で仕込むということをモットーにしています。コースの特徴としては寿司酢には赤酢を使用し、ネタは学校で習う江戸前寿司の五大技法「酢締め、昆布締め、煮る、茹でる、漬け」に基づいています。それに加えて、自身が他の店で経験した良い技術を取り入れ、常に進化させています。炙りを取り入れたり、変わり寿司として、例えば鯖の棒寿司をのりで挟んでサンドイッチのようにして提供したりしています。江戸前寿司というのは10年前と比べても、常に進化し続けているジャンルで、その時々によってメニューや技術も変わっていくので、常に新しいアップデートを重ねています。

また、全国各地から厳選した地酒や、こだわりの器もご用意しています。さらに、お客様に「ゆったりとお食事を楽しんでいただく」をコンセプトに、店内はカウンター6席、一日一回転のみの完全予約制となっています。

目的意識を持つこと。そして、継続こそ成功のカギ。

——今後の夢や目標について教えてください。

まずはコロナ禍からの売上回復が最初の目標でしたが、想定よりも早く回復することができました。そこで、次は10年後の将来を見据えるようになりました。現在は、日本の現状に危機感を持ち、海外展開も視野に入れ始めています。自身が50歳を超えた今でも寿司を握り、お店を経営していることで、海外での就職先もあるという話も耳にしています。ポーランドや台湾など海外に住んでいたというお客様も多く、彼らからは様々な国の情報を聞かせてもらえ、「君ならいけるよ」と冗談半分に言っていただくこともあります。これらの経験を通じて、海外での寿司店経営も可能性があると考えるようになりました。もう少し頑張って、「海外に来てください」と言われるくらいまでなれたらいいなと思っています。

——最後に、入学を検討されている読者にメッセージをお願いいたします。

まず第一に、目的を持って挑むことが重要だと思います。ただ漠然と「寿司を握れたらいいな」と思っているだけでは、技術は身につかないと思います。飲食人大学のカリキュラムは、習得すればどこでも通用する内容だと確信していますので、目標を持って学ぶことが大切です。

第二に、卒業後も繰り返し研鑽し、技術を磨き、技術を自分のものにすることが重要です。最初の3ヶ月で基本的な技術が身につくかもしれませんが、その後の成長は自らの努力次第です。特に若い方は、継続することで成長の余地は無限大です。年齢を重ねても、諦めずに頑張れば目標に向かって進むことができます。40代でも50代でも、遅すぎることはありません。夢を追い求める姿勢を持ち続ければ、きっと成功への道が開けるでしょう。ぜひ、挑戦を検討してみてください。

店舗情報

【店名】鮨 なし川(すしなしかわ)

【住所】兵庫県神戸市須磨区東白川台1-2-4

【問合せ】078-747-1033(完全予約制)

【営業日】火・水・木・金・土・日曜日

【ランチ】12:00〜【ディナー】18:00〜

【定休日】月曜日

【公式HP】https://www.nasikawa.com/

未経験からプロの料理人になる!
資料請求
個別相談
学校説明会
体験会