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35年続く親の店を継ぐ。~「魚を捌けるようになりたい」から始まった、31歳の挑戦~

「このまま、自分の味でお客様に納得してもらえるのだろうか」

飲食店を継ぐ立場になった時、多くの人がぶつかる壁があります。

今回ご紹介するのは、飲食人大学 淡路島校卒業生・田中秀迪さん。現在は、愛知県で創業35年続く家族の飲食店『一福』を継ぎ、日々カウンターに立っています。 

寿司経験はゼロ。
入学前の飲食経験は、居酒屋でのキッチン業務が中心でした。

それでも、「魚を捌けるようになりたい」という思いから、飲食人大学への挑戦を決意します。

なぜ31歳で学校へ通う決断をしたのか。
そして、飲食人大学で何を学び、今どのように現場へ活かしているのでしょうか。


親の店を継ぐ。その時に感じた不安

田中さんは、入学前、大手居酒屋チェーン「WATAMI」で約2年半、正社員として勤務していました。焼き鳥や簡単な刺身、一品料理などを担当していたといいます。 

一方で、実家の飲食店も手伝っていました。

昼は定食屋、夜は居酒屋。
地域で35年続いてきたお店です。

しかし、お父様が亡くなられたことで、店を継ぐことを現実的に考えるようになります。

その時、田中さんの中には大きな不安がありました。

「お客様が、自分の味に納得してくれるだろうか」

長年通ってくれている常連のお客様。
地域に根付いたお店。
親の代から続く“味”。

その重みを感じるほど、自分自身の技術不足も痛感したそうです。

特に課題に感じていたのが、「魚を捌く技術」でした。

「いろんな調理技術の中でも、魚を捌く力が足りないと思った」

だからこそ、「寿司」や「魚」に特化して学べる環境を探し始めました。 


「やるなら今しかない」と思った

実は、田中さんは他校をほとんど検討していなかったそうです。

最初に見つけたのが飲食人大学でした。 

決め手になったのは、淡路島校の環境です。

  • 寮があること
  • 少人数制であること
  • しっかり教えてもらえそうだったこと

愛知県在住だった田中さんにとって、集中して学べる環境は大きな魅力でした。 

もちろん、不安もありました。

「どこまで教えてもらえるんだろう」

特に、自分のお店に活かせる“一品料理”や“出汁”まで学べるのかは気になっていたといいます。

しかし実際には、出汁の取り方から丁寧に教わり、それが今でも現場で役立っているそうです。 

周囲からも、

「やってみないと分からない」

と背中を押され、最終的に挑戦を決意しました。 


想像以上に難しかった「大きな魚」

入学後、まず苦戦したのが「魚を丸ごと捌くこと」でした。

特にブリやハマチなどの大型魚は、力も必要です。

「うまく包丁が入っていかなかった」

と振り返ります。 

さらに、大きい魚を捌いた後、小さい魚を扱うと、力加減がまったく合わない。

魚ごとに包丁の入れ方も違う。
感覚を掴むまでが本当に大変だったそうです。

それでも、毎日の積み重ねを続けました。

握りも最初はうまくいかなかった。
切り方も安定しなかった。

しかし、日々練習を重ねる中で、少しずつ形になっていきます。

そして、先生や仲間から

「上手くなったね」

と声をかけられた時、自分の成長を実感したといいます。 


初めて“人前で寿司を握った日”

特に印象に残っているのが、提供実習でした。

海月館で行われた研修では、実際のお客様へ寿司を提供します。

それまで練習してきたものを、“本番”として出す。

「ひたすらマグロを握っていました」

と笑いながら話してくれました。 

もちろん緊張もありました。

お客様とのコミュニケーション。
従業員との連携。
実際に提供するプレッシャー。

しかし、現場のお客様が温かく接してくれたことで、「ほどよい緊張感」で乗り越えることができたそうです。 

この経験を通じて、単に技術だけではなく、「お客様へ提供する仕事」を学べたと語ります。


現在は、親の店を継いで飲食店経営へ

現在、田中さんは愛知県で『一福』を経営しています。席数は約30席。昼は定食、夜は居酒屋営業を行っています。 

最初は、親の味に寄せることも意識していたそうです。

一方で、

  • 海鮮丼
  • 寿司ランチ
  • デリバリー向けメニュー

など、自分なりの新しい挑戦も少しずつ増やしています。 

特に現在は、「魚系の店が近隣に少ない」という地域性もあり、新規のお客様へどう認知してもらうかを考えているそうです。

そんな中でも、学校で学んだことは確実に活きています。

「魚の捌き方や、握りを学べて良かった」

「出汁、一品料理、基本を学んだからこそ、今はそこから自己流を試せている」

と話します。 


「美味しかった」が、今のやりがい

現在の一番のやりがいは、お客様からの言葉です。

「美味しかったよ」

その一言が、日々の原動力になっています。 

特に、様子を見に来た新規のお客様がリピーターになってくれる瞬間は嬉しいといいます。

おすすめメニューは、“冷めても美味しい”オリジナルの唐揚げ。

さらに、これまで出していなかった海鮮丼なども少しずつ認知され始めているそうです。 


「未経験でも、毎日やれば上手くなる」

最後に、これから挑戦したい人へメッセージをいただきました。

「寿司を握るのは難しいと感じるかもしれません。でも、やってみたら楽しいです」

また、未経験の方に対しては、

「魚が捌けなくても、毎日やっていけば上手くなります」

と力強く語ってくれました。 

さらに印象的だったのは、「仲間」の存在です。

年代も経歴も違う人たちと一緒に学ぶことで、普通に生活していたら得られない知見が広がったといいます。 


“継ぐ”ために、学ぶという選択

飲食人大学には、

  • 未経験から寿司職人を目指す人
  • 海外挑戦を目指す人
  • 独立開業したい人

だけでなく、

「家業を継ぐために学びに来る人」もいます。

田中さんもその一人でした。

親の店を守りながら、自分の技術を磨き、新しい価値も加えていく。

そのための“基礎”と“現場力”を、3ヶ月で徹底的に学んだのです。

あなたも今抱えている不安を、“技術”に変えてみませんか。

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