家族の未来を見据えて。船木まり子さんが公務員から寿司職人へ転身した理由とは。
船木まり子さん(ふなき・まりこ)
15年間の公務員生活を経て、家族と共に海外で新たな人生を切り開くため、寿司職人になることを決意した船木まり子さん。卒業後はカナダ・ハリファックスに移住し、現地での生活基盤を築きながら、寿司職人としての経験を積む道を歩み始めました。夢に向かって突き進む彼女の熱い想いと挑戦の日々に迫ります。
《経歴》
2006年5月〜 大学卒業(アメリカ)
2008年4月〜 サプライチェーン管理・物流ソリューション会社にて勤務
2009年4月〜 国土交通省にて勤務
2024年7月 飲食人大学(福岡校)寿司マイスター専科で修業
15年間の公務員生活に終止符を打ち、新たな挑戦。
——飲食人大学に「入学されるまでご経歴」を教えてください。
飲食人大学に入学する前は、公務員として働いていました。そこで約15年間勤めた後、飲食人大学に入学することになりました。
——なぜ、寿司職人になろうと思ったのですか?
公務員として働いていた時、自分には特にこれといった得意分野やスキルがないと感じていました。また、子どもを連れて海外に行きたいという思いもありました。その中で、何か自分の強みになるものを身につけたいと考えるようになりました。具体的にどの媒体で見たのかは覚えていませんが、寿司職人として活躍されている方の記事を読んだことがきっかけで、この世界に飛び込み、技術を習得しようと決意しました。
——子どもを連れて海外に行きたいと思った理由やきっかけがあれば教えてください。
一番のきっかけは、私自身が大学を海外で卒業した経験があることです。また、現在の物価の上昇も理由の一つです。もし子どもが将来、高校や大学で海外留学を希望した場合、日本の給料がなかなか上がらない現状では、親として留学費用を負担するのが難しいと感じました。
そこで、家族全員で海外に移住し、現地で仕事をしながら生活した方が、子ども3人を日本から留学させるよりも現実的だと考えました。また、親が近くにいることで子どもの生活をフォローしながら、より良い環境で暮らせるのではないかと思い、この決断をしました。
夢を叶えるために!船木さんが選んだ最短ルート。
——寿司職人を目指すにあたって、「飲食人大学」で学ぼうと思った理由を教えてください。
まず一つ目の理由は、私にはあまり時間がなかったことです。飲食人大学では、3ヶ月という短期間で技術をある程度身につけられる点が非常に魅力的でした。また、当時私は福岡に住んでおり、福岡には他の寿司職人を育成する学校がなかったため、大阪か東京まで行こうかと考えていました。そんな時、福岡に新しく飲食人大学が開校するという広告を目にし、それが決め手となりました。
——具体的にはどのような理由でお急ぎだったのか教えていただけますか。
主な理由は子どもの年齢です。海外に行く場合でも、子どもが小さいうちの方が適応しやすいと考えていました。また、日本に戻る可能性も考慮して、海外に行くにしても日本に戻るにしても、早い段階で環境を整えた方が子どもの負担が少なくなると思い、急いでいました。
——差し支えなければ、お子様の学年について教えていただけますか?
一番上の子どもは中学1年生です。2年ほど海外に行こうと考えていたのですが、時期が遅れると、高校入試の時期と重なってしまい、あまり良いタイミングではなくなると思いました。そのため、行くのであれば早めに行って、どちらの選択肢になっても子どもにとってプラスになるようにと考え、早く動くことを決めました。
不安を感じながらも、実践的な学びで自信をつけた3ヶ月。
——実際に「飲食人大学」に入学してみて、いかがでしたか?
入学前は、魚をさばいた経験がほとんどなく、不安もありました。しかし、入学初日から魚をさばく実習があり、実践的な学びの場が用意されていました。また、講師の先生方が非常に質問しやすい雰囲気を作ってくださり、そこがとても良かったと感じています。毎日様々な種類の魚を捌く機会があり、とても貴重な経験を積むことができました。
——授業の中で印象に残っている講師の方の言葉や指導などあれば教えてください。
講師の方が「一生懸命やれば、しっかりと技術を身につけられますよ」という言葉をかけてくださったことが特に印象に残っています。初めてこの世界に入った私にとって、とても安心感を与えてくれるものでした。授業中は毎日不安でしたし、経験者の方も多くいらっしゃったので、自分がその方々に追いつくことに必死だったのですが、そうした言葉に支えられながら取り組むことができたと思います。
将来の選択肢が広がる!学びは自分の未来を広げる大切な一歩。
——今後の夢や目標について教えてください。
今後、2年間海外で生活する予定ですが、その間に飲食人大学で得た経験を活かして、時給の良い寿司レストランで働くことが目標です。そこでさらに経験を積み、もし日本に帰国することがあれば、外国人のお客さんを相手にするお寿司屋さんで英語を活かすなど、何かしらのスキルを活用できると思っています。
最終的な夢については、まだ確定していませんが、お寿司職人として経験を積んだ後、カナダで学校に通わずにワーキングパーミットを取得したいと考えています。もしそれがうまくいけば、最終的には永住権を取得できたらいいなと思っています。
——最後に、入学を検討されている読者にメッセージをお願いいたします。
飲食人大学への入学を考えている皆さん、特に私のように飲食業の経験がなかった方々に向けてお伝えしたいことがあります。最初は私自身も不安な気持ちがありましたが、挑戦してみることで、ワクワクする瞬間が待っていました。学びは自分の未来を広げる大切な一歩だと強く感じています。
自分の可能性を信じて一歩踏み出せば、飲食人大学で一緒に成長できる仲間たちと共に素晴らしい経験を積んでいけると思います。