ワーキングホリデーのデメリット・メリットとは?失敗を防ぐ事前準備
ワーキングホリデーって、デメリットが多いの?
18〜30歳以下であれば、海外で自由に暮らせるのが魅力のワーキングホリデー。ワーキングホリデーでは、日本とは異なる生活様式のなかで、現地の暮らしを経験できます。条件次第では最長3年程度滞在できる国もあるため、人生や価値観を変える大きなきっかけにもなるでしょう。
ワーキングホリデーでは現地で働けるため、継続的な収入を得ながら生活できるのが魅力。留学よりもローコストで海外生活を実現できるため、留学経験者にはもちろん留学初心者にも人気の学習手段となっています。
そんなワーキングホリデーですが、実際にはデメリットが存在している場合も。今回は、ワーキングホリデーのメリット・デメリットを解説していきます。ワーキングホリデーの特徴を理解したうえで、自分に合った国やプランを検討していきましょう。
ワーキングホリデー(ワーホリ)とは
ワーキングホリデーのメリット・デメリットを解説する前に、ワーキングホリデー(ワーホリ)の意味や目的をあらためてご紹介します。
ワーキングホリデーとは、海外での生活・休暇・就労を目的とする青少年をサポートする制度です。二つの国・地域間の取り決めに基づき、各国の国・地域が相手国の国・地域の青少年に対して、自国の文化や生活様式を理解する機会を提供します。
青少年を迎える国・地域では、当人が一定期間の休暇を過ごす活動と、その間の滞在費を補うための就労を相互に認めます。ワーキングホリデーは1985年に開始され、2024年現在で制度の対象となっているのは29カ国です。
ワーキングホリデー制度では、観光・就学・就労できる特別なビザ「ワーキングホリデービザ」が取得できます。ワーキングホリデーを利用できるのは、日本国籍を持つ18〜30歳までの年齢に限ります。その他の詳しい情報については、外務省の概要ページをご覧になってください。
意外と知られていない、ワーキングホリデーの現状
海外文化に触れるなかで大きな経験ができるワーキングホリデーですが、現在はさまざまな問題も発生しています。数多く存在するワーキングホリデーの課題のなかでも、とくに注目されているのが現地での労働に関連する問題です。
一例として、ワーキングホリデーで人気のオーストラリアでの現状を取り上げます。
オーストラリアは、世界に名だたる農業大国です。しかし多くのオーストラリア人は、農作物の収穫作業を嫌がる傾向にあります。そこで労働力として活用されるのが、経済的に余裕があるとはいえないワーキングホリデー滞在者です。
ワーキングホリデー滞在者は、オーストラリアの農場で一定期間は働くことで、ビザの延長が申請できます。しかし農場での労働は歩合制の場合が多く、十分に稼げません。そのうえ、雇用主が用意した宿泊場所に法外な料金を支払わなくてはならない場合もあります。
都市部から離れた場所での労働であるため、滞在者に選択の余地がないことを利用している雇用主も少なくないのです。農場以外でも、滞在者が最低賃金以下で働かされるケースは決して珍しくありません。
現状、物価が高騰する海外での生活において「ワーホリ貧困」になってしまう滞在者の増加が問題となっています。またアジア人が金銭面で不当に扱われたり、女性滞在者がセクハラ被害を受けたりするなど、課題は山積みといえるでしょう。
ワーキングホリデーの倍率とは?
ワーキングホリデーの倍率は、行き先の国によって異なります。なぜならワーキングホリデー対象国では、国ごとにビザの発給数が異なるからです。ビザの発給数は年間ごとに定められており、発給上限がない国もあります。
たとえばワーキングホリデー先として人気のオーストラリアやニュージーランドには、ビザの年間発給数の上限がありません。反対にアイスランドやリトアニアなどは発給数が少なく、年間で30〜100個程度となっています。またフランスのように、発給数自体を非公表にしている国も存在しています。
ただしワーキングホリデービザの発給数や条件は、時代によって変化していくものです。発給数の変化や国の注目度に応じて倍率も変動していきますので、目当ての国の情報をチェックしておきましょう。
ワーキングホリデー(ワーホリ)のメリット
ここでは、ワーキングホリデーのメリットをご紹介します。数々の課題は抱えているものの、ワーキングホリデーが新しい人生を模索する手段であることには変わりません。ワーキングホリデーならではのメリットを知り、選択肢を広げていきましょう。
1.海外に長期滞在できる
ワーキングホリデーの最大のメリットといえるのが、比較的簡単な手段で海外に長期滞在できることです。一般的に、海外に長期滞在する際はビザが必要です。しかしビザには取得のための条件があり、とくに貯蓄や資産が少ない若者には難易度が高い傾向にあります。
しかしワーキングホリデービザであれば、他のビザよりも簡単に条件がクリアできるのが魅力です。必要な準備資金も留学と比べて安価であり、海外生活を現実的に検討できます。
2.現地にコミュニティができる
現地にコミュニティができることも、ワーキングホリデーのメリットです。日本に住んでいても海外の知り合いをつくることはできますが、現地ならではのコミュニティに所属することは困難です。
ワーキングホリデーでは実際に現地を訪問し、文化を実体験しながらローカルなコミュニティを広げられます。とくに将来的に海外移住や海外就労を検討している人にとって、現地でのリアルなつながりができることは大きな魅力といえるでしょう。
3.海外で働いた実績ができる
海外で働いた実績をつくれることも、ワーキングホリデーのメリットです。海外就労の実績は、グローバル人材として活躍するための大きなアピールポイントになります。
とくにキャリアチェンジや転職・就職を検討している人にとっては、自己価値を上げるための有用な手段となるでしょう。ワーキングホリデーによる就労では強い精神力が身につくだけではなく、海外ならではの価値観や適応力、国際感覚を養えます。
4.語学力が向上できる
ワーキングホリデーのメリットとして、語学力の向上も挙げられます。語学勉強は日本にいたままでも可能ですが、やはり現地ならではのコミュニケーションでしか得られない学びも多いものです。
ローカルでやり取りされる会話は、まさに「生きた語学」。独学だけではなかなか学べないスピーキング力・リスニング力・スラングなどが磨かれ、実践的な語学力が身につきます。
5.自分の視野が広がる・価値観が変わる
ワーキングホリデーで海外に長期滞在することで、自分の視野や価値観が広がります。国が変われば、文化も価値観もコミュニケーションのあり方も変わるものです。
日本にいたままでは、日本の価値観しか学べません。一次体験を通してリアルな海外文化に触れることで、世界の広さを肌身で感じられます。グローバル化が進む昨今では、多様な価値観を持つ人材が求められるからこそ、ワーキングホリデーは将来の可能性を広げるために有用な手段なのです。
6.職業によっては、日本にいるより高収入が見込める
ワーキングホリデーでは、職業によっては日本にいるよりも高収入が見込めるのもメリットです。海外の多くの国では、日本にはないチップ文化が一般的となっています。
チップは基本的に非課税(国ごとに条件あり)であるため、働き方によっては基本給以上の収入が期待できます。また日本より最低賃金が高い国で働くことで、より多くの報酬を得られるでしょう。
7.日本人らしさを生かした職業に需要がある
ワーキングホリデーのメリットでは、日本人らしさを生かした職業に需要がある点も挙げられます。代表的な仕事の一つが、日本食レストランや寿司職人など、日本の文化に直結した業種です。
とくに海外の都市部では、日本食の人気は増加傾向です。キャリアが少ない若者でも、比較的容易な就労が期待できます。親日国での仕事探しであれば、さらにスムーズに就労先が決まるでしょう。
ワーキングホリデー(ワーホリ)のデメリット
ここでは、ワーキングホリデーのデメリットをご紹介します。ワーキングホリデーは特別な人生経験になりますが、滞在先や活動内容によっては今後の人生に生かしにくい場合もあるでしょう。ワーキングホリデーのデメリット・注意点を把握したうえで、効果的に活用していく意識が求められます。
1.就活でマイナスになることも
ワーキングホリデーのデメリットとして、就活でマイナスポイントになる可能性が挙げられます。どれほど有意義なワーキングホリデー期間を過ごしたとしても、人事部によっては「仕事や学業を投げ出して海外で遊んできた」という印象を持たれてしまうリスクがあるのです。
とくに留学経験者と比べると、ワーキングホリデー経験者はどうしても下位互換のような見られ方をする場合があります。
2.希望の仕事に就きにくい
希望の仕事に就きにくいことも、ワーキングホリデーのデメリットです。ワーキングホリデーの課題として、就労先探しの難しさが挙げられます。
ワーキングホリデービザは、あくまでも「現地で働く権利」を得られるだけに過ぎません。実際の雇用先は自分で探す必要があるため、場合によっては不得意な業種や低賃金の業種で働かざるを得ないケースもあるでしょう。
3.条件が限られていることが多い
ワーキングホリデーのビザを取得するための条件は、国によって異なります。またワーキングホリデーでは現地の学校にも通えますが、就学や就労に制限が設けられている場合もあります。
そのため行き先選びでは、語学学校に通える期間や、同一雇用主の元で働ける最大期間などのリサーチが必要です。条件によっては理想の生活がかなえられないことも、ワーキングホリデーのデメリットといえるでしょう。
4.最低賃金以下で働くことも…
ワーキングホリデーでは、職選びに失敗すると最低賃金以下で働くリスクがあります。とくにコミュニケーション力や語学力に乏しい場合、面接で上手に対応できず、結果的に「誰にでもできる仕事」や「会話がなくてもできる仕事」にしか受からないという事態が考えられます。
日本と同じように、海外でも「代わりが利く仕事」は報酬が低い傾向です。またワーキングホリデー滞在者であることを逆手にとられ、法外な時給で働かされてしまうケースもあるでしょう。貧困により学習もままならないと、ワーキングホリデーの目的を見失ってしまいます。
5.現地の物価が高い
ワーキングホリデーのデメリットとして忘れてはいけないのが、滞在先のほうが日本の物価よりも高い可能性があることです。とくに収入・報酬面だけ見ると魅力的な国の場合は、物価との兼ね合いを確認することが大切です。
「日本よりも稼げるが、日本よりも支出が多い」場合は、収入面でその国を選ぶのは危険といえるでしょう。収入・支出のバランスを見比べ、問題なく生活できるかどうかをシミュレーションする姿勢が求められます。
ワーキングホリデー(ワーホリ)に必要な準備
ワーキングホリデーの準備期間は、1年間を目安にすると安心です。以下に、ワーキングホリデーに必要な準備を期間ごとにご紹介します。
- 渡航1年前……現地の情報収集・語学学習のスタート・エージェント探し
- 渡航半年前……パスポートの申請や更新
- 渡航3カ月前……語学学校の入学手続き・航空券の手配・ビザの申請
- 渡航2カ月前……各種保険への加入・お金の準備
- 渡航1カ月前……証明書類の準備・荷造り・公的な手続き・連絡先の控え
上記の準備期間はあくまで目安となりますので、渡航先の情報や自身の語学力、貯蓄などに応じて調整していきましょう。また国によってはビザ申請期間が短い場合もありますので注意してくださいね。
失敗しない職業を選ぶなら、寿司職人!
ワーキングホリデーでは、職場選びが非常に大切です。先述したように、ワーキングホリデーでは滞在者が不当に搾取されるケースが少なくありません。信頼できる雇用先に努め、労働に対して正当な報酬を得ることで、より実りのあるワーキングホリデーが実現します。
「ワーキングホリデーで失敗したくない」と思っている人におすすめしたい仕事が、寿司職人です。寿司は、今世界中で注目度が高まっている文化です。世界的な健康志向ブームにより、低脂質・低カロリー・高たんぱくな寿司が評価されています。
またグローバル化の影響によって、国独自の食文化が注目されていることからも、寿司を提供するレストランが増加傾向です。日本人が優遇されやすい仕事であり、報酬も比較的高水準であることからも、ワーキングホリデーにおける寿司職人の人気が高まっています。
寿司職人になるなら、飲食人大学
今回は、ワーキングホリデーの意味やメリット・デメリットをご紹介しました。寿司職人はワーキングホリデーに人気の業種ですが、スムーズに就労する際は「寿司に関連する一定のスキルがあること」を証明する必要があります。
そこで活用したいのが、寿司職人の専門学校です。専門学校では、3カ月程度で寿司職人としての基礎スキルを獲得できます。弟子入りのように何年もの修業を必要としないため、フットワークの軽いキャリア選択が可能です。
寿司職人の専門学校である『飲食人大学』では、未経験から寿司職人を目指すカリキュラムを展開中です。またグローバルに活躍する人材を育成するための海外就職コースも備えています。ぜひこの機会に、無料資料請求やオンライン学校説明会からスタートしてみてくださいね。