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「好き」を仕事に!老舗旅館「海潮園」の料理人として腕を磨く、豊田晃平さんの挑戦と成長の物語とは。

豊田晃平さん(とよだ・こうへい)

料理が好きで、魚を扱うことに魅力を感じていた豊田さん。かつて信用金庫で働いていた彼が、コロナ禍という逆境を乗り越え、好きなことを追求する道へと歩み始めます。その経験と学び、そして今後の目標について、たっぷりとお話を伺いました。

《経歴》
2018年3月 私立大学卒業
2018年4月〜 信用金庫にて勤務
2023年3月 飲食人大学(大阪校)寿司マイスター専科で修業
2023年4月〜 鳥取県米子市皆生温泉にある老舗旅館「海潮園」に勤務
2024年7月〜 休日を利用して、出張料理開始。(寿司も提供)

料理への情熱が私を突き動かした。

——飲食人大学に「入学されるまでの経緯やご経歴」を教えてください。

大学卒業後、信用金庫で働いていました。大学生のときから就職活動をしている中で、ずっと料理をやってみたいという気持ちがあったのですが、その時はなかなか良い縁がなく、地元に戻るなら安定した職業が良いと思ったからです。

しかし、入社してからも料理をしたいという気持ちは消えず、いろいろと転職や学び直しについて調べていました。そのとき、たまたまSNSの広告で「飲食人大学」の存在を知り、すぐに資料請求をしてパンフレットを取り寄せましたが、ちょうどコロナ禍になり、飲食人大学に入学し、転職することをためらっていました。

数年が経ち、現在働いている「海潮園」の社長や女将さんに「料理の仕事がしたい」「寿司をやりたい」という話をしたところ、「じゃあ、うちで働いてみる?」と声をかけてもらい、それをきっかけにもう一度資料を請求しました。「今なら行けるかもしれない」と決心し、飲食人大学に入学することになりました。

——なぜ、寿司職人になろうと思ったのですか?

元々魚釣りが大好きで、中学生の頃から友人と釣りに行っていました。母は「自分で釣った魚は自分でさばきなさい」という方針だったので、持ち帰った魚を自分でさばいて刺身にしたり、素人ながらお寿司を作ったりしていました。子供の頃からやっていて、本当に好きで楽しかったんです。

就職してからも、SNSで自分で魚をさばく動画を撮って投稿したり、料理の写真を載せたりしていました。そういった経験の延長線上で、寿司職人になりたいと思ったのがきっかけですね。

海外需要の高さと講師陣の豊富な知識に驚きの連続。

——寿司職人を目指すにあたって、「飲食人大学」で学ぼうと思った理由を教えてください。

実は大学卒業時の就職活動のタイミングで、ゼミの先生に「お店で一から修行したい」と相談したことがあり、しっかり反対されました。でも、その先生の気持ちも分かる部分がありました。大学卒業時点で22歳、中卒や高卒で修行を始める人もいる中で、正直、年齢的に少し遅いのかなという思いもありました。

また、「時代」という言い方は失礼かもしれませんが、現代では10年かけて修行して、その後というような生き方は難しいと私も感じています。できるだけ早く技術を習得できたらいいなと思っていたところで、飲食人大学の3ヶ月で習得できるというプログラムに出会いました。

確かに3ヶ月とは非常に短い期間で、金額もそれなりにかかります。しかし、その後のキャリアに繋げられるという点で、この3ヶ月間のプログラムにとても魅力を感じました。

——実際に「飲食人大学」に入学してみて、いかがでしたか?

大阪校の小林先生の知識の豊富さには本当に感銘を受けました。私が分からないことを質問すると、その場で何でも答えてくださるんです。小林先生との会話が、最も大きな学びになったと言えます。先生との対話を通じて、本当に多くのことを学ぶことができました。

それから、驚いたのは、海外志向の方がこんなにも多いということでした。というのも、私自身はもともと海外志向がなかったので、日本料理やお寿司に対する海外からの需要がこれほど高く、高収入で夢のある仕事だということを知り、非常に驚きました。

——ご自身で魚をさばいた経験や知識があり、全くの未経験ではなかったと思いますが、その上で飲食人大学のカリキュラムはいかがでしたか?

自分がこれまでやってきたことの「答え合わせ」のような面があり、実際、自分のやり方が概ね合っていたということも分かり、自信がつきました。その一方で、もちろん知らなかったこともたくさんあり、学びがありました。

また、一人で家では扱う機会の少ない高級な魚や貝類なども、学校では取り扱うことができました。今まであまり見たことがないような食材も使えたので、それはとても良い経験になったと思います。

——クラスメイトの多くは未経験の方だったと思いますが、そのあたりはいかがでしたか?

正直、最初は少し複雑な気持ちもありました。未経験で包丁を持ったことがないという方々が、「よくこの3ヶ月で高い金額を払って入学できて凄いな」と思う部分もありましたし、レベルの差がどう授業に影響してくるのかなと不安な点もありました。

しかし、私は「寿司の早握り」が非常に苦手だったのですが、全くの未経験の方々の中でも実際に私よりも全然早く握れる人がたくさんいて、「毎日お寿司を握る練習をすると、3ヶ月でこんなにも上達するんだな」と実感しました。

——授業の中では、具体的にどのようなことを学んだのでしょうか。

3ヶ月目にある対面授業(提供実習)が特に印象に残っています。実習ではリーダーを決めて進行するのですが、私がリーダーになった際、他のメンバーにどのように指示を出すべきか非常に難しく感じました。通常の授業では「これからこれを処理します」「こうやって進めます」といった典型的な授業形式でしたが、最後の2週間に行われた対面授業(提供実習)は実際の現場でも同じような流れ・内容で、非常に実践的でした。そのため、「今何をすべきか」「次に何をしたら良いか」という経験は、実際の職場でも非常に役立っていると感じています。

老舗旅館「海潮園」の調理場で腕を磨く日々。

——飲食人大学「卒業後の進路」を教えてください。

鳥取県米子市の皆生温泉にある「海潮園」という旅館の調理場で、料理人として働いています。料理長と私の二人で切り盛りしているので、基本的にはほぼ全ての調理業務を担当しています。

——飲食人大学の学びの中で、今の仕事に活かせていることはありますか。

本当にすべてが役立っていると感じます。例えば、細かい専門用語などもそうです。もし学校に行かずにそのまま現場に出ていたら、「地洗い」や「兄貴」など、本当に細かいことが分からなかったと思います。そういった細かい知識を3ヶ月で習得できたことで、職場にスムーズに溶け込むための「潤滑油」のような役割を果たしてくれて、最初のスタートダッシュが良かったと感じています。

また、現場に入ったばかりの頃から、盛り付けなどをすぐに任せてもらいました。料理長に「豊田は綺麗に盛り付けするから、自分の思うようにやっていいよ」と言っていただけたので、それは飲食人大学で学んだことを評価していただけた結果かなと思っています。

——今の仕事のやりがいや、仕事において大切にされていることを教えてください。

もともと料理が好き、特に魚が好きというのがあって、毎日食材と向き合えることがやりがいです。旅館なのでカウンターキッチンではありませんが、毎日「この食材は良いな」や「今日の魚はちょっとイマイチだったな」と感じながら仕事ができるのが本当に好きで、そういったことを仕事にできて良かったと感じています。

また、最終的にはお客様に美味しい料理を提供し、満足していただくために、自分が満足して料理を出すことはもちろん、仲居さんが料理を運んで説明してくださるので、仲居さんにも料理の内容や見た目などで満足してもらえるよう心がけています。そういったところを意識しながら、仕事をしています。

好きなことに突き進む勇気!強みを活かして未来を切り開く。

——今後の夢や目標について教えてください。

自分のお店を持ちたいという思いがあります。自分のお店を持った時には、やはりお寿司を握りたいと考えていて、それが一番の目標です。

まだ具体的には決まっていない部分もありますが、今は料理全般を学ばせてもらっています。現在働いている旅館ではお寿司は提供していませんが、料理の幅を広げる経験を積んでいる状況です。

関東風のお寿司屋さんでは、最初に簡単な刺身などが一品が出て、その後すぐにお寿司に入るイメージがあると思いますが、関西の方では最初に料理をしっかり出してからお寿司を楽しんでもらうというスタイルです。私のお店も、関西風の料理をしっかり提供してからお寿司も楽しんでもらう「お寿司の割烹」のような形にしたいと考えています。

——最後に、入学を検討されている読者にメッセージをお願いいたします。

私の場合は、本当に好きなことに突き進んだという形です。私自身、それを失敗だとは全く思っていません。日本人はよく「嫌なことを続ければ何か良いことがある」と考える傾向があり、それももちろん大事だと思います。ただ、好きなことをしている時の苦痛というのは、たとえ苦痛があっても、それを前向きに捉えられるものです。そして、その苦痛を乗り越えた時には、その好きなことがさらに好きになります。

好きなことや得意なことというのは、自分の強みであり、自分をアピールする一番の方法だと思います。だからこそ、自分の好きなことを伸ばしていってほしいなと思います。

飲食人大学への入学を検討されている方の中には、未経験の方もいらっしゃると思いますが、今はYouTubeやInstagramなどのSNSが発達していて、魚のさばき方などもある程度学ぶことができます。もし、「しっかりとスキルを身につけたい」「お金を稼げるようになりたい」と思っているのであれば、学校に入学する前に、最低限の知識やスキルを身につけておくことをおすすめします。入学前からある程度の準備をしておくことが、より充実した学びにつながると思います。

店舗情報

【店名】海潮園(かいちょうえん)

【住所】鳥取県米子市皆生温泉3丁目3−3

【問合せ】0859-22-2263

【公式HP】https://www.kaichoen.net/

未経験からプロの料理人になる!