AI時代に、会社員から寿司職人へ。未経験から高級寿司店のカウンターに立つ小西さんの挑戦
「このまま会社員を続けていて、本当に大丈夫なのだろうか」
そう感じたことがある方は、少なくないかもしれません。
AI技術が発達し、これまで人が担ってきた仕事の一部が置き換えられていく時代。特に、いわゆるホワイトカラーの仕事に対して、将来への不安を感じる人も増えています。
今回ご紹介するのは、飲食人大学 東京校を2025年12月に卒業した小西さんです。
小西さんは、30歳で飲食人大学へ入学。入学前は医療機器メーカーで会社員として働いており、飲食経験はありませんでした。
それでも、「一生使える技術を身につけたい」という思いから、未経験で寿司職人の道へ進むことを決意します。
現在は、都内の高級寿司店で勤務。ランチ営業を担当し、夜営業では焼き物などの裏方業務や接客にも携わっています。
なぜ小西さんは、安定した会社員の道から、寿司職人というまったく異なる世界へ飛び込んだのでしょうか。
そこには、AI時代への危機感と、「やらなかった後悔だけはしたくない」という強い思いがありました。
■ 医療機器メーカー勤務。会社員として感じていた将来への不安
小西さんは、飲食人大学へ入学する前、医療機器メーカーで働いていました。
営業職に近い動きで、日々仕事に取り組んでいたものの、心の中には以前から漠然とした不安があったといいます。
その不安の大きな理由が、AI技術の発展でした。
これから先、人間の仕事がどんどん代替されていく中で、会社員として働き続けることに対して、本当に将来性があるのか。
特にホワイトカラーの仕事は、この先も同じ形で残っていくのだろうか。
そう考えるようになりました。
もちろん、すぐに答えが出たわけではありません。
ただ、仕事に多くの時間を使うのであれば、誰かに置き換えられにくい、一つの技術を高め続けられる仕事がしたい。
その思いが、次第に強くなっていきました。
■ なぜ寿司職人だったのか
職人の道を考えた時、小西さんが選んだのは寿司でした。
理由の一つは、寿司が日本人としての強みを活かせる仕事だと感じたからです。
日本人として寿司が好きであり、寿司という技術そのものに大きな付加価値がある。
海外でも日本食への関心は高く、寿司は日本を代表する食文化として知られています。
例えば、フレンチやイタリアンを学ぶ道もあります。
しかし小西さんにとって、寿司は「日本人として学ぶ意味がある技術」でした。
単に料理を作る仕事ではなく、日本の文化や技術を身につけ、磨き続ける仕事。
そこに魅力を感じ、寿司職人を目指すことを考えるようになりました。
■ 未経験、30歳、家族の反応。不安がなかったわけではない
入学前に不安がなかったわけではありません。
特に大きかったのは、飲食未経験であることと年齢です。
30歳から未経験で寿司職人を目指す。
一般的に見れば、大きなキャリアチェンジです。
また、小西さんは結婚しており、家族への相談も必要でした。
奥様には、2年ほど前から自分の考えを伝えていたそうです。
最初は反対もありました。
収入面の変化、将来の不安、未経験の仕事へ進むリスク。
それでも、時間をかけて伝え続け、最終的には理解を得ることができました。
会社を辞める時も、不安がなかったわけではありません。
しかし、会社員として続けていくことへのモチベーションが保てなくなっていたこともあり、「辞めた後に、自分が本当にやりたかったことをしよう」と考えるようになりました。
最終的に背中を押したのは、こうした思いでした。
「やらない後悔より、やる後悔の方がいい」
挑戦してみて駄目だったら、その時にまた考えればいい。
そう考え、寿司職人への一歩を踏み出しました。
■ 他の寿司学校も見た上で、飲食人大学を選んだ理由
小西さんは、飲食人大学だけを見て入学を決めたわけではありません。

他の寿司学校も検討し、体験授業にも参加していました。
しかし、そこで感じたのは、授業の雰囲気や講師と生徒の距離感への違和感でした。
本当に技術が身につくのか。
講師に対して生徒の人数が多すぎないか。
そのような不安が残ったといいます。
一方で、飲食人大学のオープンキャンパスに参加した時、雰囲気の違いを感じました。
先生の本気度。
授業の緊張感。
少人数で見てもらえる環境。
実際に試食した握りの美味しさ。
そこに、小西さんは「お金を払って学ぶ価値」を感じました。
特に決め手になったのは、講師の厳しさと真剣さです。
優しいだけの環境では、本当に技術が身につくか分からない。
むしろ、自分を厳しく見てくれる環境の方が成長できる。
そう判断し、飲食人大学への入学を決めました。
■ 入学して感じた、想像以上の厳しさと知識量
実際に入学して感じたのは、「辞めずに続ければ、確実に成長できる環境」だということでした。
一方で、先生の指導は想像以上に厳しかったといいます。
特に印象に残っているのが、東京校の講師による知識量の深さです。
魚の扱い方、仕込み、調理方法、寿司職人としての考え方。
授業を受けながら、「ここまで本格的に教えてもらえるのか」と驚いたそうです。
後に現場へ出た時にも、学校で教わった調理方法や知識が実際に役立ちました。
中には、現場の職人でも知らないような調理方法もあり、それを自分から提案して実践できたこともあったといいます。
■ 最初の1週間が一番大変だった
小西さんが在学中に一番大変だったと話すのは、最初の1週間です。
それまで飲食経験がなかった小西さんにとって、魚の扱いも、包丁の使い方も、寿司職人の世界の考え方も、すべてが初めてでした。
先週まで何も知らなかった人間が、突然大量の知識と技術に向き合う。
魚の捌き方、仕込み、シャリ、握り、段取り。
最初はついていくのに必死だったといいます。
特に印象に残っているのが、入学から1ヶ月ほど経った頃、先生から言われた言葉です。
「なんとなくやっているだけでは、絶対に上手くならない」
その言葉を聞いた時、小西さんは悔しさを感じました。
ただ同時に、自分が甘かったことにも気づいたといいます。
言われなければ、成長できなかった。
そこから、取り組み方が大きく変わりました。
■ 「1分で6貫」をひたすら練習した日々
飲食人大学では、卒業に向けて求められる技術があります。
小西さんが特に取り組んだのが、「1分で6貫握る」という練習でした。
それまでは、どこかで「やっていれば上手くなる」と考えていた部分もあったかもしれません。
しかし、先生の言葉をきっかけに、ただ作業をこなすのではなく、明確な課題を持って練習するようになりました。
まずは、1分で6貫握れるようになる。
他のことはいったん置いてでも、その基準に届くまで練習量を増やす。
そうやって一つの課題に集中したことで、少しずつ手の動きが変わっていきました。
また、飲食人大学では、自分だけができればよいわけではありません。
同期の進みが遅れていれば手伝う。
他の人の課題も、自分たちの期全体の課題として捉える。
小西さんは、それを「連帯責任」に近い感覚だったと振り返ります。
一見厳しく感じるかもしれません。
しかし実際の店舗でも、一人だけができても営業は回りません。
周囲を見て動くこと、遅れている人を助けること、全体で店を動かすこと。
その考え方も、在学中に学んだ大切なことでした。
■ 卒業から1年以内に、高級寿司店のカウンターへ

入学当初、小西さんは三枚おろしの方法すら分からない状態でした。
しかし、飲食人大学で3ヶ月間学び、卒業後は都内の高級寿司店へ就職。
現在は、ランチ営業を担当し、夜営業では焼き物などの裏方業務にも携わっています。
状況に応じてカウンターに立つこともあり、外国人のお客様を接客する機会もあります。
入学当初の自分から考えると、1年以内に高級店のカウンターに立っていることは、大きな変化でした。
もちろん、学校で学んだことだけで完結するわけではありません。
現場に出ると、魚やお酒の知識、旬の理解、店ごとの仕込み方やシャリの炊き方など、まだまだ足りないことが見えてきます。
それでも、学校で身につけた基礎があるからこそ、現場で学び続けることができています。
■ 学校で学んだ技術は、現場でも通用した
現場に出て感じたことの一つは、学校で学んだ技術が実際に通用したということです。
卵や茶碗蒸しなど、学校で学んだレシピがそのまま活きた場面もありました。
魚の締め方、仕込み、シャリの扱い方など、細かな違いは店舗によってあります。
しかし、基礎を学んでいたことで、現場ごとの違いにも対応しやすくなりました。
一方で、現場に出たからこそ感じた不足もあります。
魚の旬。
お酒の知識。
お客様への説明。
一度教わったことを、次からすぐにできるようにする力。
学校では、分からないことを聞ける環境があります。
しかし現場では、何度も同じことを聞いていられない場面もあります。
だからこそ、卒業後はより自分で考え、自分で動く力が求められます。
小西さんは、現場に出てから「自走する力」の大切さを実感しているそうです。
■ お客様の反応が、技術に直接返ってくる仕事

現在の仕事で小西さんがやりがいを感じているのは、自分の技術がお客様の反応に直接つながるところです。
良い反応があれば嬉しい。
反応が良くなければ、もっと頑張ろうと思える。
会社員時代とは違い、自分の手で作ったものが、その場で評価される。
それは厳しさでもあり、面白さでもあります。
また、外国人のお客様を接客する機会もあり、最近ではその面白さも感じるようになってきました。
寿司は、日本国内だけでなく、海外のお客様にも関心を持たれやすい仕事です。
今後は英語の勉強も少しずつ続けながら、お酒や魚に関する知識も深めていきたいと話します。
■ 今は、目の前のことに集中する時期

今後の目標について、小西さんは「まず1年くらいは、あれこれ考えずに目の前のことをやっていきたい」と話します。
今は、技術も知識も、現場で吸収するべきことが多い時期です。
英語の勉強を少しずつ続けること。
魚やお酒の専門知識を深めること。
一度教わったことを、次からできるようにすること。
お客様の反応を見ながら、自分の仕事を改善していくこと。
寿司職人としての道は、卒業して終わりではありません。
むしろ、現場に出てからが本当のスタートです。
小西さんは、日々の仕事を通じて、そのことを実感しています。
■ 入学を迷っている方へ
最後に、小西さんは入学を検討している方へ、こう語ります。
「少しでもやりたいと思ったからこそ、今回聴講されているのだと思います。やらなかったら、その後悔は一生消えません。やってみて駄目なら、その時にまた考えれば良いのです」
未経験だから不安。
年齢が気になる。
家族の理解を得られるか分からない。
収入面が心配。
そうした不安は、挑戦する前には必ず出てくるものです。
しかし、やらなかった後悔は、後から消すことができません。
一方で、やってみて違ったなら、その時に考えることはできます。
小西さん自身も、不安がない状態で入学したわけではありません。
それでも、自分の将来を考え、寿司職人という道を選びました。
■ 未経験から寿司職人を目指すという選択
小西さんの歩みは、これからの働き方を考える上で、一つのヒントになります。
AI時代に、どんな仕事を選ぶのか。
会社員としての安定を続けるのか。
一生磨き続けられる技術を身につけるのか。
正解は人によって違います。
ただ、未経験からでも、覚悟を持って学べば、寿司職人として現場に立つ道はあります。
小西さんは、飲食経験ゼロから3ヶ月間学び、現在は高級寿司店で経験を積んでいます。
その姿は、未経験から寿司職人を目指す方、会社員から手に職をつけたい方、AI時代の働き方に不安を感じている方にとって、大きな参考になるはずです。
飲食人大学では、未経験から寿司職人を目指す方に向けて、オープンキャンパス、握り体験会、オンライン個別相談を実施しています。
「会社員のままでいいのか」
「一生使える技術を身につけたい」
「未経験から寿司職人を目指したい」
そう考えている方は、まず実際の授業や学校の雰囲気を確かめてみてください。
