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38年間の会社員生活から、未経験で寿司店を開業。定年後に夢を形にした卒業生の挑戦

「定年後に、もう一度新しいことへ挑戦したい」

そう考えていても、実際に行動へ移すのは簡単ではありません。

長く勤めた会社を離れ、未経験の世界へ飛び込む。しかも、自分の店を持つとなれば、不安がないはずがありません。

今回ご紹介するのは、飲食人大学 淡路島校を2025年12月末に卒業した松永さんです。

松永さんは、電気メーカーに38年間勤務。定年退職後、飲食経験がない状態から寿司職人を目指し、飲食人大学で3ヶ月間学びました。

そして卒業後、大阪・福島駅から徒歩2分の場所に、カウンター5席のみの寿司店を開業。

現在は紹介やリピーターを中心に予約が広がり、9月まで予約が埋まるほどの店へと成長しています。

なぜ松永さんは、定年後に寿司職人という道を選んだのでしょうか。

そこには、「自分で料理を振る舞いたい」という長年の思いと、徹底した準備、そしてお客様一人ひとりと向き合う姿勢がありました。

■ 38年間の会社員生活を経て、寿司職人の道へ

松永さんは、入学前まで電気メーカーに38年間勤務していました。

長年の会社員生活を終えた後、次に選んだのは、まったく未経験だった寿司の世界です。

もともとホームパーティーでゲストを招くことが好きで、いつか自分の料理で人をもてなしたいという思いがありました。

また、海外の友人に手巻き寿司を振る舞った際、とても喜ばれた経験もありました。

日本らしい料理で、人に喜んでもらえる。

その体験が、本格的に寿司を学びたいという気持ちにつながっていきました。

寿司は、単なる料理ではありません。

魚を選び、捌き、仕込み、握り、目の前のお客様へ提供する。

そのすべてに技術と心配りが必要です。

だからこそ松永さんは、自己流ではなく、基礎からきちんと学ぶ必要があると考えました。

■ 淡路島校を選んだ理由

松永さんが飲食人大学への入学を決めた理由の一つが、淡路島校の環境でした。

少人数制で、講師との距離が近いこと。

実際の指導風景を見た時に、丁寧に教えてもらえる環境だと感じたこと。

その印象から、「ここなら大丈夫だ」と直感的に思えたといいます。

淡路島校は、最大人数も少なく、一人ひとりの手元を見てもらいやすい環境です。

包丁の握り方も分からない未経験者にとって、最初の段階で細かく見てもらえることは大きな安心材料になります。

定年後からの挑戦であっても、若い人と同じように学び、同じように成長できるのか。

その不安を解消する上でも、少人数制の環境は大きな意味を持っていました。

■ 入学翌日から始まった、魚を捌く実習

飲食人大学での授業は、入学してすぐに実践が始まります。

松永さんも、入学翌日から魚を捌く練習に取り組みました。

最初は包丁の握り方すら分からない状態。

魚のどこに包丁を入れればよいのか、どう力を入れればよいのか、一つひとつが初めての経験でした。

それでも、毎日魚に触れ、何度も繰り返すことで、少しずつ手応えが生まれていきます。

2週間ほど経った頃には、自分の中で「少し分かってきた」という感覚が出てきたといいます。

松永さんが特に大切にしていたのは、授業で学んだことをそのままにしないことでした。

授業のない日には、包丁の入れ方や魚ごとの特徴を振り返り、ノートにまとめていました。

そのノートは最終的に4冊にもなったそうです。

ただ作業を繰り返すだけではなく、自分の言葉で整理する。

その積み重ねが、技術の定着につながっていきました。

■ プロから学んだ「ネタにこだわる」という姿勢

在学中、松永さんにとって大きな学びとなったのが、特別講義で聞いたプロの言葉でした。

30年以上の経験を持つ職人から受けた助言は、

「ネタにとことんこだわること」

というものでした。

この言葉は、開業後の松永さんの店づくりにも強く影響しています。

現在も市場へ足を運び、端から端まで見て回りながら、納得できるネタを選んでいます。

寿司店にとって、ネタ選びはお客様の満足度を大きく左右します。

どれだけ握りの技術を磨いても、素材を見る目がなければ良い寿司にはなりません。

学校で学んだのは、魚を捌く技術だけではありません。

寿司職人として、何にこだわるべきか。

その考え方も、松永さんの中に残っています。

■ 偶然の出会いから、大阪・福島で開業へ

当初、松永さんは自宅での開業も検討していました。

しかし、1月10日に偶然立ち寄った大阪・福島のバーで、ある出会いがありました。

そこで知り合った方から、所有するビルの空き店舗を紹介されたのです。

場所は大阪・福島駅から徒歩2分。

寿司店も多い、飲食の激戦区です。

偶然の出会いではありましたが、松永さんはその機会に飛び込むことを決めました。

店舗は20坪、カウンター5席のみ。

大きな店ではありません。

しかし、一人ひとりのお客様と丁寧に向き合うには、むしろちょうどよい規模でした。

現在は、手伝いのスタッフと2名体制で運営しています。

また、同じ店舗で石垣島アグー豚のしゃぶしゃぶ店を営むビルオーナーのお母様にも協力してもらい、先付けや献立づくりについて相談しながら仕込みを行っています。

自分一人ですべてを抱え込むのではなく、経験ある人の力を借りながら店をつくっていく。

それも、開業後に大切な考え方の一つです。

■ 4月の開業に向けて、2ヶ月間徹底して準備

4月のオープンに向け、2月と3月は準備期間に充てました。

淡路島校での授業内容をビデオで見返し、魚の捌き方や握りの姿勢を毎日確認。

授業で学んだことを、開業に向けてもう一度身体に入れ直していきました。

また、食材の加熱時間や調理法も、納得がいくまで試行錯誤しました。

「これでよいだろう」ではなく、自分自身で確認し、改善する。

その繰り返しが、開業後の自信につながっていきます。

3月には、知人や友人を招いた無料の試食会も行いました。

そこで得た意見をすぐに改善し、料理や提供の流れを調整していきました。

その結果、試食会に参加したお客様が4月の予約を入れてくれ、オープン直後から順調なスタートを切ることができました。

■ 看板を出さず、紹介とリピーターで予約が広がる店へ

松永さんの店は、当初大きな看板を掲げずに営業を始めました。

集客の中心は、紹介とリピーターです。

一度来店したお客様が、次のお客様を連れてきてくれる。

試食会に来た方が予約してくれる。

口コミで少しずつ広がっていく。

その積み重ねによって、現在は9月まで予約が埋まる状況になっています。

松永さんが大切にしているのは、お客様一人ひとりとの関係です。

来店されるお客様の名前を覚える。

来店前には挨拶の連絡をする。

来店後にはメールやSNSのDMでお礼を伝える。

こうした細やかな対応を欠かさず行っています。

寿司の技術だけではなく、接客や関係づくりがリピートにつながる。

そのことを、松永さんは日々の営業で実感しています。

■ 38年間の会社員経験が、寿司店経営の武器になる

未経験から寿司職人を目指す場合、「飲食経験がないこと」を不安に感じる方は多いかもしれません。

しかし、松永さんの場合、38年間の会社員生活で培った経験が、今の店づくりに活きています。

お客様との会話。

相手の話を聞く力。

人との距離の取り方。

海外生活で得た視点。

それらは、寿司店のカウンターに立つ上で大きな武器になっています。

特に若いお客様に対しては、新しいことに挑戦する面白さを伝えたいと考えているそうです。

定年後に未経験から寿司店を開業した自分自身の姿が、誰かの背中を押すきっかけになるかもしれない。

松永さんの店には、寿司を食べるだけではなく、そんな会話の時間もあります。

■ 学校での提供実習が、開業後に役立った

松永さんが、飲食人大学で特に役立ったと感じているのが「提供実習」です。

提供実習では、献立作成、食器選び、お客様の迎え方、提供の流れ、作法などを学びます。

単に魚を捌く、寿司を握るだけではありません。

お客様を迎え、コースとして料理を出し、最後まで満足して帰っていただく。

その一連の流れを実践的に経験します。

松永さんは、開業後にこの経験の重要性を強く感じたといいます。

実際の店舗では、料理だけが良ければよいわけではありません。

お客様が店に入った瞬間から、帰る時までのすべてが店の印象になります。

献立の流れ、器、所作、会話、空間。

提供実習で学んだおもてなしの基礎が、現在の店舗運営に活きています。

■ 今後の目標は、インバウンドと若い世代への発信

松永さんには、今後の目標が3つあります。

一つ目は、インバウンド需要を取り込むこと。

海外の方にも、日本の寿司を楽しんでもらいたいという思いがあります。

二つ目は、若い世代に挑戦することの面白さを伝えること。

年齢に関係なく、新しいことを始めることはできる。

その実体験を、店を通じて伝えていきたいと考えています。

三つ目は、「自分もお客様も楽しむ」こと。

お客様に楽しんでもらうだけでなく、自分自身も楽しみながら店に立つ。

その姿勢が、松永さんの店づくりの軸になっています。

■ 定年後でも、未経験でも、挑戦は始められる

松永さんの歩みは、「寿司職人になるには若いうちから修行しなければならない」という考え方に対する、一つの答えです。

もちろん、3ヶ月学べばすべてが完成するわけではありません。

開業後も、毎日が学びの連続です。

市場で魚を選ぶこと。

仕込みを改善すること。

お客様の反応を見ること。

予約管理や接客を工夫すること。

そのすべてが、寿司職人として、店主としての成長につながっています。

ただ、未経験からでも、基礎を学び、準備を重ね、行動すれば、自分の店を持つことは不可能ではありません。

38年間の会社員生活を経て、定年後に寿司職人へ。

そして、カウンター5席の寿司店を開業。

松永さんの挑戦は、これから第二の人生を考える方、未経験から寿司を学びたい方、将来自分の店を持ちたい方にとって、大きなヒントになるはずです。

飲食人大学では、未経験から寿司職人を目指す方に向けて、オープンキャンパス、握り体験会、オンライン個別相談を実施しています。

「定年後に新しいことへ挑戦したい」
「未経験から寿司を学びたい」
「いつか自分の店を持ちたい」

そう考えている方は、まず実際の授業や学校の雰囲気を確かめてみてください。

未経験からプロの料理人になる!