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「ワイン×中華」の新スタイル。ミシュラン獲得の中田 真平シェフが語る「中華料理の魅力」とは。

中田 真平シェフ(なかた・しんぺい)
有名店で料理長を務めた経歴やソムリエ資格も持つプロの中華料理人、中田真平シェフ。現在は、「化学調味料を使わない中華料理とナチュラルワインの融合」をコンセプトとした、ミシュランビブグルマン掲載店「中国菜SHIN-PEI」のオーナーシェフとして活躍されています。そんな中田真平シェフに、「中華料理の可能性」や「飲食人大学への期待」を聞きました。

《シェフの経歴》
2011年:百貨店の中華料理店にて料理長を務める
2012年:大阪/谷町にある中華料理店【青藍】にて料理長を務める
2015年11月:大阪/本町【中国菜SHIN-PEI】を開業

《店舗情報》
店名:中国菜SHIN-PEI
住所:大阪府大阪市西区靱本町1-1-18 日宝CUBE靭本町3号
お問い合わせ:06-6447-7726
営業時間:11:30~14:30 17:30~21:30
定休日:日曜日

開業や新スタイル誕生のきっかけ

——中田シェフの経歴を教えてください。

百貨店に入っている中華料理店で料理長を務めた後、大阪・谷町7丁目にある「青藍」で務めました。

20代の頃から「自分の料理を出して、お客様に楽しんでもらえるお店をやりたい」という目標があったので、34歳で独立し、「中国菜SHIN-PEI」を開業しました。

——「中国菜SHIN-PEI」のコンセプトやこだわりを教えてください。

自然派のワイン(ナチュラルワイン)と化学調味料を使わない中華料理の融合ですね。

——中華料理とワインの掛け合わせは珍しいですね!なぜそこに注目されたのですか?

発酵食品として有名な鮒鮓を提供する滋賀県のお店「徳山鮓」で、ナチュラルワインと発酵料理の組み合わせを体感したのがきっかけです。中華料理にも発酵調味料や発酵食品がたくさんあるので、中華料理の発酵食材とナチュラルワインを合わせたら良いのではないかと思い、お店のコンセプトにしました。

——「化学調味料を使わない中華料理」にこだわる理由はありますか?

素材の味わいを活かす中華料理を作りたいと思ったからです。また、化学調味料を使わない料理は実際に美味しいですし、人間の体に合っているような気がします。

若かりし時に感じた中華料理の魅力

——なぜ、料理の世界で「中華料理」の道を選んだのですか?

最初はものすごく単純に、「おいしいチャーハンを作れるようになりたい!」という気持ちがありました。また、国土の広い中国では多種多様な食材と調理法があることに深く興味があったので、中華料理を学びたいと思いました。

——中華料理の魅力はなんでしょう?

食材や調理法が多種多様なところと、料理を仕上げるスピード感も魅力だと思います。もちろん料理の種類によりますが、中華鍋を振って強火で一気に仕上げるスピード感が、若い時の自分にとってすごくかっこいいなと魅力に感じましたね。

「中国菜SHIN-PEI」で生み出す、日本の中華料理

——中華料理を作る上で大切にしていることを教えてください。

四季があって鮮度の良い食材が手に入り、世界各国の料理が集まっている日本だからこそ、ハイクオリティーな中華料理を作れると思っています。なので、日本の四季の素材を生かして中華料理を作るということを大切にしています。

——お店を運営する上で、なにか大切にしていることはありますか?

大前提として、お客様に喜んでいただくことですが、僕らは独立開業してお店を運営しているので、お客様に喜んでもらえる、且つ、自分たちが作りたいもの・好きなものの料理スタイルを大切にしています。

——中華料理人としてのやりがいを教えてください。

ナチュラルワインと中華料理のペアリングを考えてお客様へ提供した時、「ワインと中華料理ってこんなに合うんだ!」と驚きや感動を与えられたときに、すごくやりがいを感じます。

中華料理は「日本料理の基礎」。3ヶ月で集中的に。

——飲食人大学の中華マイスター専科は3ヶ月のカリキュラムです。プロの視点から見てどう思いますか?

カリキュラム期間が3ヶ月と聞いた時は、すごく短いなという印象でした。ただ、専門的に中華料理の部分だけを徹底的に突き詰めて学ぶということは、普通ではなかなかできないですし、学校の設備とかを見せてもらったんですが、お店で使われているような本格的な器具で、しっかりと鍋振りなどの練習ができる環境があるのが、すごく良いことだなと思います。

お店のスタイルにもよりますが、やはり新人が調理現場に入って、いきなり鍋を振って調理させてもらえないことの方が多いです。現場で先輩方が調理しているのを見ている時に、何も知らない未経験者より、飲食人大学で中華料理の基礎を3ヶ月間学んで調理の経験がある人の方が、体や頭に染み込んでいくのが早いと思います。飲食店で働く上で、飲食人大学で集中的に3ヶ月間学ぶことは、すごく良いと思います。

——中華料理人を目指す方へメッセージをお願いいたします

中華料理は、「日本料理の基礎」なんです。豆腐や湯葉なども中国の方が古い歴史があります。中国から海を渡り、独自の進化を遂げてきたのが日本料理なので、料理の基礎になるものとして、すごく気付きの多い分野だと思います。

僕自身、20年以上中華料理を作っていますが、まだ「この料理、難しいな」と思うこともあります。裏を返せば、中華料理はそれだけまだ美味しい料理が作れるという可能性があると、楽しんでいます。

ぜひ皆さん、研鑽を積んでいただきたいなと思います。