飲食人大学

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海外で寿司職人として成功するには?オーストラリアで活躍する佐藤大野さんの経験から学ぶ、成功の秘訣。

佐藤 大野(さとう・だいや)
佐藤大野さんは、現在、オーストラリアのケアンズで寿司店「Coco Sushi」を経営する傍ら、キッチンカーで寿司を広める活動にも力を入れています。元ツアーガイドという経歴を持つ佐藤さんは、なぜ寿司職人への道を歩んだのでしょうか? そして、海外で成功するためにどのような工夫をしているのか必見です。

《経歴》
2007年 オーストラリアに移住
2008年 ツアーガイドを開始
2017年 飲食人大学(名古屋校)寿司マイスター専科で修業
2017年〜 オーストラリア最大の回転寿司チェーン「Sushi Train」で勤務
2018年〜 オーストラリア・ケアンズにて「Coco Sushi」開業

オーストラリアで元ツアーガイド!セカンドキャリアで寿司職人を目指す。

——飲食人大学に「入学されるまでの経緯やご経歴」を教えてください。

19歳の時にオーストラリアに渡り、ケアンズという地域で主にツアーガイドをしたり、ダイビングのインストラクターとして海関係の仕事や山関係の仕事をしていました。観光業を中心に30歳近くまで様々な仕事を経験しました。その中で、知り合いの漁船で手伝いをする機会があり、私が料理が得意ということで、一時的に料理人として活動したこともありましたが、基本的には飲食関係の仕事はしていませんでした。

ある時、キャリアを変えてみようと思い、自分が好きな寿司を本格的にやってみたいと考えました。私は単純に料理を作ることが好きで、自分で料理を作ることや、釣りをして魚をさばくことが好きだったんです。これが、寿司職人になりたいと思ったきっかけの一つでもありました。

そして、3〜4ヶ月程の期間、一時帰国して飲食人大学に入学しました。

——オーストラリアに移住されたきっかけは何ですか?

元々、あまり日本で仕事をしたくないという気持ちがきっかけでした。私は学歴がそれほどある訳ではなかったので、学歴ではなく経験を重視してくれる海外に惹かれました。実際にオーストラリアでワーキングホリデーを経験し、日本ではなく海外で生活していくことを決意し、移住を希望するようになりました。その後、永住権を取得し、長らくオーストラリアに住んでいます。

——なぜ寿司職人になろうと思ったのか、具体的に教えてください。

本当に魚が好きだったというのもありますが、もう一つはオーストラリアに16年程住む中で、日本人として海外で生きる意味を模索していました。私はネイティブのように英語が喋れるわけではありませんし、現地の方も「なぜこの人はここにいるんだろう?」と疑問を感じます。そのような中で、私は日本の食文化を伝えているという立ち位置があるというのは、自信につながるものがありました。

実際に挑戦してみて、日本人であることをどうやって証明できるかというものの中で、寿司というのは非常に強いと実感しました。現地の大勢の方々から「ここに寿司屋ができるなんて、この街に電気が着いた時と同じぐらいの感動だよ」という言葉をかけていただき、やっていて良かったと感じましたし、日本人であることは強みであり、誇りに思いました。

また、海外では日本人以外の方が経営する寿司屋が多く、味に納得できないことが多々ありました。そこで、本場の味を日本人が伝えることができたらいいなと思ったのもあります。

日本人として海外で生きる意味。ケアンズで寿司店開業。

——飲食人大学「卒業後の進路」を教えてください。

卒業後、まず私のホームタウンであるオーストラリアのケアンズに戻りました。その後、オーストラリア最大の回転寿司チェーン「Sushi Train」で約半年間勤務しました。当時、私はオーストラリアでの飲食業経験がほとんどなかったため、最初は客席の状況や回転寿司の運営を間近で観察しながら経験を積み、自宅近くにお店を借りて、自分のお店を作り始めました。寿司トレインでの勤務と店舗作りを両立させ、飲食人大学卒業から8ヶ月程で開業しました。

——卒業してから1年もたたずに自分のお店を開業されたのですか?

そうですね。お店を買い取ることも考えましたが、私の住んでいる田舎町には寿司屋が全くありませんでした。そんな中、自宅近くに偶然空いている店舗を見つけ、待っているだけでは何も進まないので、思い切って「ここでお店を始めよう」と決意しました。

—開業準備はお一人でされたのですか?

はい、開業準備はほとんど一人で進めました。飲食業は全くの未経験だったので、最初は何も分からず不安でしたが、色々と調べていくうちに、様々な業者や専門家がいることに気付きました。キッチンの作り方や壁の作り方など、全て一番簡単な方法で進めながら、考えたり相談したりしながら進めました。法律的な手続きも、プロのキッチン業者と相談しながら進めました。オーストラリアの法律に基づいたキッチンを作るために、色々と調べたり、行政機関であるカウンシルとやり取りしたりしながら、1から全て自分で作り上げていきました。もちろん、回転寿司店「Sushi Train」からも色々と学び、参考にさせてもらいました。

海外で成功する秘訣は「こだわりを捨てること」

——お店のこだわりのポイントを教えてください。

海外で成功するためには、「こだわりをある程度捨てること」が重要だと考えています。日本人は一つの職業に対して非常にこだわりを持つ傾向がありますが、オーストラリアのケアンズのような田舎の地域では、握り寿司よりも巻き寿司を好む人が多いため、あまりこだわりを持たない方が成功する傾向があることに途中から気づきました。

特に田舎の地域だとその傾向が強く、自分のこだわりを押し通すよりも、客層や地域のニーズに合わせたメニューやアプローチを取ることを心がけています。例えば、魚よりも肉をメインにしたり、オーストラリア人にとって魚と言えばサーモンなので、飲食人大学で学んだ江戸前寿司では扱わないサーモンをメインにしたりしています。飲食人大学では先生にも「サーモンをやらせてほしい」とお願いして、教えていただいたこともありました。しかし、その中でも日本の味をしっかりと出すというのがこだわりの一つでもあります。

——オーストラリアの方はどのようなタイミングでお寿司を楽しむのでしょうか?

私の住んでいる地域ではお寿司はお昼に食べるイメージです。お店の近くにサトウキビ工場などがあり、労働者の方々がお昼にサクッと食べれるお寿司を求めて来店することが多いです。丼もののような料理も提供しており、夜はお寿司以外の丼ものや定食を求めて来店される方が多いです。ケアンズは常に暑いので、こちらの方はお寿司のようなさっぱりとした冷たいものを好む傾向があります。

テレビで見た「3ヶ月で寿司職人」というキャッチコピーに惹かれて。

—寿司職人を目指すにあたり、飲食人大学で学ぼうと思った理由を教えてください。

初めて飲食人大学の存在を知ったのはテレビです。オーストラリアでも日本のテレビ番組を視聴でき、偶然日本の番組を見ていた際「3ヶ月で寿司職人」というワードが出てきて、日本では最近こんなことをやり始めたのかと興味を持ちました。思いました。一時帰国中に、東京に飲食人大学があることを知り、見学の予約をしました。見学をして講師の方から様々な話を聞くことができ、飲食人大学の革新的な教育方針に魅力を感じ、入学を決めました。

——実際に「飲食人大学」に入学してみて、いかがでしたか?

ノドグロや本マグロなど、高級食材を惜しみなく使わせていただいたことに、今でも感謝しています。現在、私は握り寿司がメインではないため、この経験を活かせる機会は少ないかもしれません。しかし、この経験は私にとって大きな自信となりました。日本人以外が経営する寿司店のクオリティに納得できなかったというのが最初のスタートだったので、たった3ヶ月という短い期間ではありますが、江戸前寿司という最も古い形式の寿司を1から学んだことで、自信に繋がりました。

そして、自分自身の軸となるような確固たる基盤を築くことができたことが一番良かったです。これを土台に、自分なりに試行錯誤して活かしていきたいと思っています。

移動販売にも挑戦。海外で寿司を広めたい!

——飲食人大学の学びの中で、今の仕事に活かせていることはありますか。

Sushi Train」で働く前に、オーストラリア在住の日本人の知り合い向けに出張寿司を少しやっていました。現在のお店は握りはメインではありませんが、出張寿司では握りをメインに提供し、自身の練習も兼ねて食材費のみで仕事を受けていました。マグロの漬けなど日本では定番のメニューも取り入れ、お客様からは大変好評をいただきました。握れる職人が来ると聞くと、みんな集まってくるほどでした。

現在のお店は握りがメインではありませんが、飲食人大学で握りの技術を学んだことで、もしお店に日本人のお客様が訪れた場合でも、喜んでもらえるような伝統的な握り寿司も提供できるという自信になっていると思います。

——今の仕事のやりがいを教えてください。

「日本人として何ができるか」というのが今一番のやりがいです。現在、私は田舎で寿司屋を営んでいるので寿司を食べたことがない人も、寿司に触れる機会が増えたと思います。さらに、昨年(2023年)からキッチンカーを使用し、もう少し田舎に出向き、移動販売も始めました。皆、「こんな田舎に寿司が来たのか」と喜んでくれるので、もっと寿司というものを広めたいなと感じます。寿司屋としてお店を構えることが難しい場所でも、移動販売であればその年のクリスマスのお祭りなど、様々な場所で寿司を提供することができます。日本人のものである寿司を広めることで、多くの人々が喜んでくれることを実感しています。このような活動は、私のやりがいになっています。

寿司職人の夢を叶え、新たな夢も。

——今後の夢や目標について教えてください。

寿司店経営をきっかけに、将来的には飲食業以外にも事業を展開するのも良いなと考えています。現在の寿司店の中で、新たな業務部門を立ち上げるのも良いですし、他の業界で新たなチャレンジもしたいと思っています。

また、飲食人大学の卒業生がもっと海外に活躍の場を求めてくれると良いなと思っています。私のお店がさらに拡大すれば、契約を結んで彼らに「もっとこちらに来てください」と声をかけることもできるでしょう。既に日本からオーストラリアに出稼ぎに来ている人々もたくさんいますので、彼らが私のように永住権を取りたいと考えていたらサポートしたり、彼らのような優秀な人材を採用してお店をさらに拡大していけたら理想ですね。

——最後に、入学を検討されている読者にメッセージをお願いいたします。

飲食人大学は、全く知識がない人でも寿司職人になれるよう、1から丁寧に指導してくれる学校です。もし、寿司職人の仕事に興味があるなら、ぜひ一歩踏み出して、入学を検討してみてください。

もしも、本当に海外に行きたいのであれば、早めに行動することが重要だと思います。海外と日本の寿司は全く異なるものなので、ギャップを感じるかもしれませんが、寿司職人として活躍するためには、基礎をしっかり学んでおくことが重要です。やはり、海外に住んでいる日本人は日本の味を求めているので、飲食人大学のような学校で基礎を学んでから海外に行くのも一つの道です。もちろん、日本で最初から寿司職人の仕事を始めたいという気持ちがあれば、早く一歩踏み出すことをおすすめします。私も、もっと早く飲食人大学に入学すれば良かったと思っています。もし、寿司職人の仕事に興味があるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。

店舗情報

【店名】Coco Sushi

【住所】46 Norman St. shop 6 Gordonvale QLD 4865

【問合せ】+61-7-4056-1862

【営業日】月・火・水・木・金曜日

【営業時間】11:00〜19:30

【定休日】土・日曜日

【URL】https://www.instagram.com/cocosushi_gordonvale/